投稿作品

時代物官能小説
しずか姫 筆狂い 最終回

作:Shy さん

※すべてフィクションです。実在する個人、団体とは全く関係がございません。




作品を投稿して頂いたShyさんのサイト

愛と官能の美学
愛と官能の美学


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第七話

「姫、しかし文を書かない訳にも行きますまい。ぼちぼちとお支度を。」
「そ、そんな、こんな良い気持ちになっておるのに。意地の悪い…。仕方が無い。
では、車井、そちが書け。わらわの貝の水を使って書くのじゃ。」

「承知いたした。では!」

車井は、姫の息も絶え絶えではあったが、話す言葉をそのまま文にしたためた。
そう、硯には姫の貴重なる清水を使って。
そのため筆を度々、貝の合わせ目に持って行った。
姫からは満々と清水が溢れ出たから、書をしたためるには全く困らなかった。
わずか十行ほどの文ではあったが一応できあがった。

「おお、車井。ご苦労であった。じゃが…車井…わらわの貝が真っ黒になったぞ。おっほっほ。」

姫は己の股間を覗きながら、吹出した。

「左様でござりますな。では、姫、今日の清水書きの想い出に記念を残しましょうぞ。」
「記念?何をするのじゃ?」
「姫は、『魚拓(ぎょたく)』というものをご存知か?
魚の表面に墨などを塗り、和紙や布をその上にかぶせて魚の形をすり写すことでござる。
漁師が、驚くほどの大きな魚を得た時の記念に行なうのでござる。」
「その魚拓とやらとわらわとどのような関係があるのじゃ?」
「姫の貝全体に墨を塗り、この和紙を当てるのでございます。
さすれば、姫の貝の形がくっきりと写り、末永く記念となりまする。」
「おお!それはいい考えじゃ。すぐにせい〜。」
「承知仕る。」

車井は姫の貝に丁寧に墨を塗り始めた。
姫は仰向けに天井を見上げる格好で横たわり、裾を開き、色白き股間をあらわに車井に見せ付けた。

それもやや開き気味で。
戦国の世に、昼の日向(ひなた)からこのように大胆に振る舞う姫君も先ず珍しいかろう。
美しい故によけいに色っぽく車井には見えた。
車井はこのしずか姫のあらわな姿を見て、己の身体に異変を感じていた。

(いけない。いくら何でも姫とする訳には行かない。我慢しなければ。)

心の中では強い欲望がムクムクと湧き始めていた。
だが、如何せん車井も男であったから、下半身の異変を押さえる訳には行かなかった。



第八話

姫にはできる限り判らぬように振る舞うことにした。
姫の貝に墨を施すたびに、姫は僅かな震えを見せていた。
時折身をよじることもあった。
車井はそれを無視して、姫に充分な墨を塗り続けた。
ようやく墨塗り作業は終り、机の横においてあった和紙を取り出した。
左右をぴんと広げ、姫の股間にゆっくりと持って行った。
そして、真っ黒に塗られてしまった貝にピチャリと貼り付けた。

「あぁ…」

紙を貼り、更にしっかりと墨が付くように、貼った紙の上を指で丁寧に擦り始めた。
少し鎮まりかけた姫の感情ではあったが、姫を再び起こすためには充分過ぎる動作であった。
先程の筆による愛撫の感触がまだ生々しく残っていたから、
風が触るような愛撫であっても、姫は敏感に反応を示した。
車井は紙を押さえるため擦った指であったが、
姫のふっくらとした柔らかな肉感を心地よく感じていた。

(ああ、美女と誉れ高きしずか姫の秘所をそれがしが触っておる。
天下広しと言えども、これほど恵まれた男子などどこにいようか。)

車井は歓びを押さえ切れなかった。

紙はゆっくりと姫の股間から放された。
広げた紙には大きな唇のような模様がくっきりとそして黒々と浮かび上がっていた。
どこぞの貝にも似ている。

「ほほう!できたか?」
「姫、きれいに転写ができ申しましたぞ。」
「こんな形をしておるのか?初めて見るぞ。 何か己のモノを見るのは恥ずかしいものじゃな〜。ほほほ〜。」
「さようでござりますか?姫が恥ずかしいとおっしゃるならば、
それがしはもっともっと恥ずかしい思いでござる。」
「ほほほ、さようか?車井、礼じゃ!この姫の形取りそちに授ける。」
「な、何と!?それはそれは。有難き幸せにござりまする〜。」

車井は姫に深々とこうべを垂れて、丁重に姫の形取りを拝受した。

「してこのわらわの形取り、名は何と申す?」
「はは〜。巷では『まん拓』と申します。
いやいや、姫がおっしゃるには、形取りでよろしいかと。」
「ほっほっほ、まん拓と申すのか?可笑しいのう。これからそう呼ぼう。」
「いいえ、それは困りまする。それがしがお教えしたとなれば、些か不味うござる。」
「まあ、良いではないか。また、今度もまん拓を取ってくれるか?」
「ええ?…はあ、ようござります…。」

この時であった。



最終回

襖の向うから、腰元のありさの声が聞こえた。

「姫様、お庭番組頭の、広 行長様がお見えでござります。」
「ん?何のようじゃ?まあ、良い。広、苦しゅうない。さあさ、入れ。」
「姫様、失礼仕ります。入らせて戴きまする。」

襖が静かに開き、ひとりの若武者が現われた。
国学、儒学等を学び、並外れたその才知はすでに城内でも頭角を現せていた。
そればかりか写真機という人を写し取る機械までも持っているという。

現在はお庭番組頭であったが、国の各種法度(はっと)の改善等内務に関して、
素晴らしい働きを見せていた。

「姫様、おめでとうございます。隣国の左奈田家から縁談のお話がございました。
その使者の方が、殿と会談をなされた後、今しがた、お帰りになったようでござります。」
「な、なんと!?縁談じゃと?嫌じゃ、嫌じゃ、わらわは嫁ぎとうなどない。
して、父上は承諾をなされたと?何ということじゃ…嘆かわしい…わ、判った。
広、ご苦労であった。さがって良いぞ。」


そう述べると、姫は急に泣き崩れた。
車井は掛ける言葉に困り果てた。
これでは祝の言葉など言えるはずもない。
しかし言わざるを得ず、形ばかりの祝辞を述べた。

「車井、わらわは嫁ぎとうない…何ということじゃ…」
「姫、そうは申されても、祝言は世の習い…逆らえませんぞ。」
「わかっておる。じゃが、悲しいのじゃ…訳は…」

しずか姫と車井は、開けた襖の向うの庭を眺めた。言葉もなく。

庭には先程から降り始めた雪が燈篭や木立に積もり始めていた。
姫の心にも雪は積もり始めていた。解けることのない雪が。

(完)



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